訪問看護ステーションひのき 全体研修Vol.6

 



〜訪問看護における退院調整・関係者連携〜

外部講師を招いてのひのき全体研修も6回目になりました!
2022年2月15日に開催した研修は、
「これからの訪問看護に求められる退院調整・関係者連携」です。

現在要介護者・要支援者の数は右肩上がりで増えています。
全国の高齢化率も増えている今、
地域包括ケアシステムの実現が求められています。
自分の地域の状況を把握し、病院や関係各所と密に連携していくことが
今後の介護業界を支えると言っても過言ではありません。

病院と訪問看護の関わり方や退院前からサポートできることなど
今訪問看護に求められていることを説明していただきました!


包括ケアシステムとは?

地域で「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」
5つの要素が一体的に提供される体制のことを言います。

地域包括ケアシステムの実現により、重度な要介護状態になっても
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることが
できるようになることを目指しています。
地域包括ケアシステムは、市区町村が地域の自主性や創意工夫に基づき、
その特性に合わせて作り上げていくことが必要です。

病棟と訪問看護の違い

病棟は常に看護師さんやお医者さんがいてすぐに駆けつけられる環境ですが、
在宅はすぐには駆けつけられないので、サポート体制としては大きく違います。
病棟は病気にフォーカスを当てていて病気を治すところですが、
在宅は治せない病気や障害を持ちながらその方がどうやって生きて、
どのように暮らしていきたいか、「生きる」ということに
フォーカスを当てているところが大きな違いです。

入退院時の訪問看護師との関わり

退院支援・退院調整とは?

病院に入院されている方が退院する際に
訪問看護師が退院支援、退院調整を行います。
退院支援と退院調整は違うので言葉の意味をしっかり覚えておきましょう!

「退院支援」
入院中の患者様に「退院後の療養の必要性」を理解してもらい、
どこでどのように療養するかを患者様自身で
選択することが出来るよう支援すること。

「退院調整」
退院支援を通して、患者が退院後の生活をイメージする事ができたなら、
その実現に向けて必要となるサービスを調整すること。

退院支援をする際に、病棟看護師さんと連携することが多いので、まずは病棟看護師さんの動きを把握しておくことが重要です!

退院時の訪問看護師の役割としては、退院前カンファレンスに参加し
現状を把握した上で退院時指導を行います。

在宅の場合、家族が処置をしなければならない場合もあるので、
退院前に病棟看護師から手技や知識を伝えてもらわなければなりません。
在宅の環境や内服・注射・医療器具の管理は可能かどうかなど、
在宅で必要なものを確認し、問題があれば
解決方法を病棟看護師・患者様・ご家族の方と細かくすり合わせをしましょう。

ケアマネージャーとの関わり

ケアマネージャーは一番情報を持っていることが多いので、
早めに情報共有をしてもらうことが必要です。
入院中・在宅に切り替わってからもコミュニケーションをとるようにしましょう。

細かいことですが、コミュニケーションツールにおいても
電話が良い人もいればFAXが好きな人もいるので、
相手がコミュニケーションが取りやすい方法を把握しておくことも、
円滑に連携を行う秘訣です。

相手が何を求めているかを第一に

ご利用者様の要望をお伺いする際には
求めていることをお伺いする癖がついているかと思いますが、
病棟看護師・ケアマネージャー・地域連携室なども同じで、
「相手がどんな情報を求めているか」
「何に困っているか」
「自分が動いたら相手は助かるかな?」
など、常に相手が求めているものを考えて動くようにしましょう。
考えたら行動に移す!ここが一番大事なところです。
丁寧な対応を続けていれば、相手に気に入ってもらえることも多く、
先に続く良好な関係の構築に繋がっていきます。